さて、毎年毎回なにかしら価格や品質や流通量やらで問題が生じる生花業界にあって、今年は猛暑による影響です。も〜勘弁してほしい!暑くて日差しが降り注ぐのだから豊作なんじゃないの?と素人目から考えるでしょう。無理もないです。しかし現実は…。今年は梅雨明けからお盆までもずーっと暑かったですね。纏まった雨も降らずです。お盆用に生育していたお花はとにかく育成が進み、お盆前に出荷せざるを得ない状況になりました。お花は開花を促進することは出来ても、育成を止めることは出来ないんです。そして秋彼岸の需要に備えていたお花を少し早くても無理してお盆に出してしまった。秋彼岸より2週間前までは少ないながらもお花の流通はございましたが、この一週間は本当にお花はどこへ行ったのか?というほどに無い!市場や流通業者や生産地のお話では9月23日には流通するだろう…と。え?23日ってお彼岸の中日ですよ、そこで売らないと、もう需要は終了ですよ?つまり完全にズレた。お伝えできる範囲のお客様にはご案内いたしましたが、
『今年の秋彼岸のお墓参りは24日以降にしていただけると当店もお客様のお財布も助かりますよ』
と。極小の流通量から自店の仕事量の確保を巡って、お花の相場は阿鼻叫喚です。「やればやるほど赤字が膨らむ」と泣く同業者もおりました。当店も今年の秋彼岸は利益がないばかりか赤字にならなければ合格点と思った方が良さそうです。それでもまだ秋彼岸はお盆や春彼岸ほど大きく動きませんので出血は少なくて済むか…致命傷にはならずに済むか…と思っておりますが。どうしてなぜ、売れると分かっているモノ日に限ってこれほど相場が高騰しモノが無くなるのか。天候のせいなのは確かです。分かってますけど、その対策はどうして取れないのか…。じつは物価、特にお花の価格は10年前とそう変わっていないのも原因です。10年前の価格で同じ程度のクルマは買えましたか?という事です。世の物価はドンドン上がってきている、お花はどうか?という。もっと大胆な値上げがこの先起こるでしょうね。仙台に限れば生花店はまだまだ多い。これらが淘汰されていく5年後、10年後…。当店は生き残っていられるのでしょうか…。20年前「母の日なんて休んでいたほうがいい」と豪語して本当に母の日を受け付けなかった生花店が、その後数年は盤石だったのに今では跡形もなくなったのを思い出します。効率を追求すればお客様離れは加速します。バランスが大事と強く胸に持ちつつ、花屋さんを続ける限り相場で右往左往するんだと思います。
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