このホームページを始めた約19年前、「これからはネット販売」とそこら中で騒がれておりました。何なら場所はどこでも良い、僻地のほうが事務所代が安いだけイイ、そんな言われ方でした。ホームページ販売にだけ注力していても十分やっていける…そんな展望でしたし世間も私もリアル店舗は無くなっていく方向なのだろうかと漠然とした不安を抱えつつのホームページ運営でした。今、さてどうなったでしょうか。僻地であるほど燃料費高騰から来る輸送コストの増加によって首都圏と変わらないかそれ以上の物価になってきています。みんなホームページ販売を当たり前にやっているため過当競争の激化により、安く大量に売る薄利多売が横行しております。「とりあえず安い順にソートして比較検討」です。家電などの耐久消費財ならそれでいいでしょうけれど食品を含む生花までこの買い方が当たり前になりました。生花が決定的に違うのは農産品だという事です。今年の夏のような異常な暑さでは影響がモロに出て価格は上昇の一途。パンフレット商品なんて出していたら影響は避けられません。当たり前に入荷していた花を仕入れることすら出来ていないわけですから。この19年間で消費税は二度増税され、その都度に個人消費は落ち込みました。ホームページでの販売は法人契約はほぼ無く、当店の場合は個人消費が9割です。世間の経済状況に影響されやすいということです。法人対法人でのご利用は安定します。消費税が増税されても影響なくご利用頂いておりました。単価も大きく利用頻度も安定します。収益計画を立てやすくなるという事ですね。なのでホームページでも「法人様向け」を謳うサイトが見受けられますが、そもそも法人という性格上、ネットで取引先を探すという事は案外少ない。参考程度に参照はしても、そのまま付き合うアクションにはなりづらい。少なくとも生花に関しては…です。知り合いや紹介づて等からの取引開始が多いですね。
私が考えるこれから…ですが、当店に限れば個人消費はより減っていくでしょうね。減っていくというよりか「一極集中していく」という表現が正しい。よく分からないお花の世界の事ですから、名の知れた大企業ほど安全だろうと考え、そういった大企業の生花店へ集中していくことになろうかと。確かに名の知れた大企業だけにシッカリとした商品です(ただ驚くほどお高いですけど)。同じ金額でこうも変わるか?という違いです。もちろん生産地やブランドの差もあろうかと思いますが、ご近所のお花屋さんだって何十年と営んでいれば品質の差が現実どれくらい影響するかは承知の上でしょう。お花によって千差万別で、高いからよいモノとは限らないのもこの世界なんです。こうして減っていく個人消費を補う為にも法人とのお付き合いがより大事になっていきます。個人様との取引を疎かにしようというわけではなく収益の安定的な展望としてです。当店はまだ良いほうで、年に三度、春彼岸・お盆・秋彼岸と、お墓参りでの個人需要がドカンとあり、お馴染みのお得意様も多く助かっております。しかしこのお墓参も文化として動かないと思えば、じつは廃れてきています。墓守が居なくなるために行う「墓終い」。お寺に対して支払う金額をご存知でしょうか?相場で2〜300万円です。あとは檀家の経済状況と顔色次第。どうしてそれほど掛かるのかの説明も無し。お墓を作る時に永代供養料も墓所代金も支払っているというのに。オカシイですよね。こんなアグラをかいた商売続けているから寺離れが止まらないんだと気付かないのは、まだまだ坊主丸儲けしているからなんでしょう。
墓終いが寺終いになったら当店も大変!早くまっとうになって欲しいです。
コラム終了まであと4回!
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