2020年10月12日

#845 返納のこと

上級国民などといわれ、ブレーキを踏んだとか踏んでいないとかで裁判が話題になっていますね、この話題がネタではないのですけれど、高齢者の運転が大変な事になっていると身近に感じている店長です、こんにちわ。本当は踏んでいないのに、踏んだのだと思っていたとしたらより根が深いと思う。

さて、私の父の話です。73歳です。まだまだ若いと言われる方もおりますね。それはもはや個人差のレベルです。世間一般に73歳が若いとは言わない。一ヶ月ほど前ですが父が、何でもない路上で前のめりに転倒し、メガネで顔を傷つけたために血だらけとなり、それで救急搬送されたということがありました。骨折や重大な負傷は無いと判断されてその日はそのまま帰宅するのですが、転倒の原因が熱中症による脱水症状だろうとのことで点滴を打たれ、これが原因と思われたのですが、一人で立って歩けない状況で帰宅したのです。明日になればシッカリするだとうという見立てに反して、翌日にも一人で歩けない状況でしたので再び病院へ。ここでMRIにて脊髄損傷という診断。転んだ拍子に首の脊髄がズレて神経を圧迫しているのが分かると。で、神経の事はとかくまだ不明な点が多い。「こうしたからこうなおる」という単純なものでもないので、そのまま入院でした。10日間程度でしょうか。その間、父は別段の治療は受けておらず、それでも日々回復していたようでした。ようでした…とは、コロナの為に入院中の様子を家族であっても面会させて貰えなかったためです。その間に主治医と父との面談などは続き、手術をしてもしなくても…といった曖昧な治療計画しか出されず(神経はそれだけ不明な点が多い)すっかり腰の引けた父は手術を希望する家族の意見にも耳を貸さないまま退院したのです。退院時は自分で歩け、手にしびれが残っている程度にまで回復したと本人は申しており、生活に支障ある様子もそれほど感じない程度です。
しかし、車の運転だけはするな!ときつく私が言い、妻や周囲の協力もあって車の鍵を隠すなどして事実上1ヶ月間は車の運転はしておりませんでした。父とは毎日が罵詈雑言のケンカです。「早く運転させろ」と言われ「人をはねたらどうするんだ」と心配し、「俺は大丈夫だ」と返され、「みんなそう言うんだ」と切り返せば、「人も轢いていないのに、何故鍵を隠されてまで運転を取り上げるんだ」と。同じ言い争いが1ヶ月間毎日続きました。その間にも父の体調は日々良くなっていたのでしょうか、運転できる確信が彼にはあったのでしょう。遂には周囲に羽交い締めにされて無理矢理手から鍵を奪い取るかたちにまで発展します。父は運転が生き甲斐のような人で、この1ヶ月間でさえよく耐えたといったほどなのは重々承知でした。終いには「自分で車買ってくる」まで言い出し、子供の駄々のような論説を繰り返し、尊敬出来るような父の姿はどんどん無くなっていきます。これはもう止められないと判断し、車を返さざるを得ず車の運転を再開して3日目です。もちろん上級国民の事故も見ていて、どこ吹く風といった感じ。

確かにかわいそうです。唯一の生き甲斐を奪われたらそれは怒ります。しかしもしそれで他人様に迷惑でも掛けてしまったら…人を轢いてしまったりしたら…。しかしそれを止めようとすればするほどに家族関係は崩壊してしまう。それを我慢できるほど父は人徳者ではないし、むしろ傍若無人というくらいが彼のキャラクターだっただけに、より誰の意見は聞かないのです。もし仮に、なんらかの法的に運転免許を取り上げられたとしても、彼は運転を続けるでしょう。そんな状態です。
介護などはいずれ訪れると思っていましたが、こんなかたちで言うことも聞かず頭脳は健康そのものな父をどうしたものか。これからもこんな言い争いが続いているうちはまだ良いのかも知れません。私がいつ今般の上級国民の家族と同じ状況になるかも知れないと思うと背筋が凍るわけです。


早く全自動運転技術ができないか!と切に願う店長でした。





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