さて、お酒の席が増えて参りまして、これまた体調管理を考えねばならない時期になりました。折しも今年の急激な視力の低下を体感しておりメガネを新調したのですが、あまりの視力低下に衝撃を覚えたばかりです。40代にはいろいろ変化するんですね。無茶を覚えた気がします。
商売でのお付き合いから、地元の有名酒店社長とのお話の中で「お、こいつヤルな?」「デキる男だな?」と思われる、玄人を唸らせるようなお酒のオーダーの仕方ってありますか?と安直に聞いた事がありました。カッコよくお酒を注文してカッコよく飲み、ついでにカッコよく女性を口説けたりしたら格好いいオトナだなぁって思うじゃないですか。しかし、酒店の社長ほどお酒に精通している人の意見は、その想像の遙か上を行く回答でした。「どのお酒を飲むかじゃないんですよ。誰と飲むか…によってチョイスするのがカッコイイですよね。」…はぁ、愚問をした自分が恥ずかしいと同時に、なんてスタイリッシュでカッコイイ返答なのか。まるで質問に対して質問で返す禅問答の世界じゃないか。立つ瀬がない気分をすぐに忘れて、今度はお客様の寿司屋さんに同じような質問を繰り出した私。プロが唸る、最初の寿司ネタの注文って何ですか?と。寿司屋の親方が言います。「つまり見栄張りたいんだろ?だったらもう高橋さんは十分カッコイイ。こうして私と話しこめる関係じゃないですか。なじみの寿司屋があるっていうのはカッコイイんじゃないですかね?」。これまた質問の答えになっていないものの深くうなずき納得させられたうえにカウンターパンチを食らったかのような褒め殺しの返答。…そうか、プロとはこういう人たちの事を言うのだなって思ったわけです。ひるがえって、花屋で同じような質問をされたら何て答えればいいのか。いやまて、その前に「プロを唸らせる花の注文って何だ?」と。私が唸る花って何だ?と。その名を口にしたからといって「ただ者ではない」と感じるような花なんてございませんて。そう考えると、酒も寿司も一緒なんじゃないか?と思った次第でした。
プロはプロなんですから、そこを素人が唸らせようとか、付け刃や受け売りだけでなんとか乗り切ろうなんて浅はかなんですね。見栄張るよりも、コミュニケーション能力だなと。
![]() クリックをよろしくお願いします。 | ![]() |