さて、そんなこんなですから、継いで数年などは先祖代々のお客様や先代から引き継いだお客様などからも「代が変わると色々変わるのですね」ということも腫れ物に触るかのごとく注意をされたりする事もございます。当店のお客様には、私を呼びつけてお茶を出し、これをゆっくりと飲んでからキリッとにらみピシャリと「あなたの代になってから何年やってるの?」という有り難いお叱りを頂戴する事もございました。「なにくそっ!」という反骨精神と有無を言わさず納得させるような仕事してやろうという若さで乗り切ってきた気がしますが、最近になって思うのです。注意してでもお付き合い頂けるお客様って大事だなぁと。花屋さんなんて星の数ほどあります。簡単に他へ取引を切り替えても文句は言えた立場ではございません。お客様にしても当店に注意をするのは相当の覚悟と力を使っている事でしょう。それでもどんなにお叱りを受けても「金輪際もう結構」なんて言われたことが無いのです。そしてこのお叱りがあって今の私はできている事は明白であり、親や当店社員や妻などとはまた違った立場からのご指導ご鞭撻というものは特に貴重なのだなぁと思った次第です。お客様の立場としても、簡単に見限ることをせず忍耐強く何度でも相手にするという事にはある種の「使命感」?のようなものがあるのではないか…と。
翻って、私が客の立場でこうした意見をズバズバ言いつつも長く付き合っていこうと思う事業先様があるか?と考えると、そこまでの覚悟を持って接している人っているだろうか…と思うわけです。いつお付き合いをやめてもいいとまでは考えておりませんが、何があっても一蓮托生というような動かないお付き合い。こういった環境こそプロを育てていき、職人を育てていくのではなかろうかと思った次第です。さながら子を育てる親の心境に近いのではなかろうか…と。
立派な事を言ってますけど、つまり怒られるような事をするなって事なんですけどね…
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