2015年04月19日

#0560 埋めて良しのこと

花屋さんの商売はギフトやお祝い・お供え等に限らず多岐に渡るのですが、その良い例として宗教行事がありますね。店長です、こんにちわ。むしろ伝統風習の仕事のほうが昔は多かった当店。

さて、今でも年に数回、地鎮祭に使うから「梅」と「葦(ヨシ)」を…というご相談を受けます。土地に建築する際にするのが地鎮祭ですが、その中でも古井戸が見つかったりした場合に井戸を埋める作業をしなければなりません。しかし井戸は昔は生活に直結する重要なインフラですから、神も宿るとされて信仰のうえでも重要視されてました。地鎮祭は神道ですから「霊」ではなく「神」なんですね。貞子さんじゃないんですよ。そこで井戸を埋めるために祝詞奏上して井戸へ「梅」と「葦」を入れて『埋めてヨシ』などとシャレか?というような儀式を行うわけです。語呂合わせの行事って意外とあるのですね。しかし現在になると「梅」も「葦」もどこに行けば手に入るのか?という事になります。梅なんて大体近所で植えている人がいたもので、一枝貰ってくるなんてことができたのでしょうけれど現在は庭付き一戸建てでも梅を植えている家は少ない。公園や街路樹に梅はあまり使われませんし、やはり花屋へ!という事になる。葦もですね。「葦(ヨシ・アシとも読む)」は河川の土手に群生していたものでしたが、現在では護岸工事が進み、葦が入手できるような場所が皆無になりつつあります。言えば雑草の類ですから、これをわざわざ生産する農家もおりません。花屋にしても農家にしても、注文があれば近所の自生している場所から切ってくるというのが実際です。当店も仙台から1時間あまり離れた場所に農園がありますが、とてつもない田舎な場所ですのでたやすく入手できる状況にあります。梅は自家製で栽培してますしね。
驚いたのですが、突っ込んで調べてみるとこの「梅て葦」は「梅干し」という解釈の地方もあるという事です。梅干しなら年中どこでも入手できますね。葦に関してはやはり花屋の協力が必要になる部分でしょうね……と思っていたら!!「梅て葦」ではなく「埋めて構わん」なるあらたな解釈まであるとか!!どこの風習かまでは調べられなかったのですが「埋め=梅・梅干し」と「構わん=カマ・釜・椀(茶碗)」などという語呂合わせ。文化というものはこれだから面白いわけです。
科学万端の現在でも地鎮祭や井戸埋めなどに祝詞を上げて…とやはり文化は残っているわけですから、その文化を支えていたはずの周辺にあった梅や葦なども入手できる方法は残しておかねばならないんですよね。こと生け花でもそうですが楚々とし過ぎて使用する花々が雑草の類ではないか?というほど微妙に当たり前だったはずのお花が、現在では入手困難過ぎて困っています。生産するといった程の花でもない、放置していれば勝手に毎年生い茂っていたはずの雑木もです。震災復興・防災の観点から海岸線は巨大な防波堤に姿を変え、山間部へ行けば豪雨による地滑り対策としてコンクリで固めてしまっている。どこに行けば自然は残っているのか?となってくるのです。毎年どんどん僻地へ開拓していくという探検のような事をしているわけです。





にほんブログ村 花ブログへ
クリックをよろしくお願いします。
花束とアレンジメントのギフト フラワーゼーレ
この記事へのコメント
是非コメントを書き込んでください
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

フラワーゼーレの前身となる「高橋生花舗」時代の
店長コラムはこちらをクリックしてください。