2015年01月19日

#0547 技術のこと

成人式も終わるとお花屋さん業界は一度ヒマになります。冬眠期と申しますか、やっと一息といったところでしょうか。店長です、こんにちわ。閑散と多忙の振り幅が強烈な業界。

さて、そうは言いつつも何かしらの収入は確保せねばならず、色々な事に手を出してみるのもこの時期かもしれません。もっぱらは溜まった仕事をこなすだけで終わるのですが、甘えは禁物とばかり自分を奮起させるのがメインテーマになってきます。
近年ずーっと考えていたのですが、花屋が花屋たる専門店としてのゆえん、他業種が参入しづらい最たるものは「技術」のはずなんです。お花を活ける技術、組み合わせる技術。しかしながらその技術はどこまで一般のお客様に理解されているのかを事あるごとに迷いながら商売しています。よくあるのが他社のお花との比較をされてしまう葬儀です。葬儀へお花を納品すると葬儀社や他社生花店などからのお花がズラリと並び、そこで出来映えの内容が一目瞭然になります。当店はいずれもどこにも負けない内容・ボリュームを意識しています。比較されることが分かりきっているからですが、しかしお祝いではなく葬儀となればそこにはルールや常識・慣例なども加味しなければなりません。しかしながら最近の葬儀花はとにかく派手です。色としては赤さえも入る。高齢で亡くなったいわゆる「大往生」であるならまだしも、まだまだこれからという歳で亡くなられてしまった場合に、それほど派手な色彩は使いたくない。当然ながらその辺りの事情を確認できる範囲で確認してからの制作をしておりますが、喪主や届け先というよりもむしろご注文主様から「他社の花のほうが目立っていて派手だった」と苦言をされる場合が希にあります。言われる場合はまだ良くて、どういうスタンスで作り納品しているかをちゃんと説明できますし、ご納得頂いているのですが、逆に言うとこの「常識・慣例」が分からないために当店自体を誤解され、当店からすれば逆に非礼だろうと思われるお花を好評価してしまう。こちらからお伝えできる部分はあらかじめでもお伝えしますが、どうしても風習・慣例・文化などにおいては特に一般の方々に理解を求めづらい部分が多々あり、現実にそれを知らないまま花屋として生業とする生花店もじつに多いのです。すると「本当に技術は必要なのか?」という疑問が付くわけです。どこまでストイックに極めてもお客様が納得しなければ商売として成り立たない。
葬儀に限って言えばどんなにお客様の要望に応えたものを納品しても、その後で名札のみ差し替えて名札の序列を調整されたりするという問題もあります。そんな事は露知らずご注文主様が式場に来て自分の名札を確認し、後になってから「葬儀にあんな派手な花を作るなんて何事か!」となる。こちらとしても青天の霹靂です。どんなにいいものを作っても名札だけ差し替えられるなら頑張らなくてもいいよね?という思考になってしまってはいけない。しかし馬鹿正直に制作しても理解されていない場合が多い。これが技術のジレンマになるわけです。お客様がお花を見る目を付けてもらう、その為の意思疎通を欠かさない、この二点が重要なわけですが、その努力を実現するためには、お花は安くなりすぎた感もあるわけです。そのフォローを全て行うならば価格に跳ね返ってきて当然ですからね。

もう一つ、どんなに素晴らしい技術を身につけても、同業者でさえ有名になろうとも、お客様の理解がなければお店は続けられない。技術を言葉で語り尽くす事は不可能です。それができるなら専門店は必要なく、座学で十分ならすでに花屋さん業界は無くなっているはずです。少しでもお客様に理解して貰いたい、でもしつこいのは自分でもイヤ…。面白おかしく楽しく技術を伝えるためのスキルこそ、これからの技術者に最も必要なスキルかも知れません。
口だけでもダメですが、『商』という字は『門の上に立って口でする』ということらしいです…。口八丁手八丁の店長でした。



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この記事へのコメント
伯父の葬儀のお花でお世話になりました。本当に素敵なお花で  伯父の家族も大変喜んでいました。有難うございました。
Posted by mickey at 2015年02月01日 20:59
いつも当店をご利用頂きまして誠にありがとうございます。
お喜びいただけたとのことで一安心です。ご葬儀やお悔やみにはとかく神経を遣うのですが、ご感想を頂き嬉しく思います。
ありがとうございました。
Posted by 店長 at 2015年02月02日 17:58
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