さて、当店が入っているビルのお話。仙台駅東口5分にあって大変便利ながら2010年で築30年を越えた古いビルです。それでも1978年の宮城県沖地震の後に建てられたため耐震強度は素晴らしく今回の東日本大震災にも耐える堅牢な建物です。自社ビルなんですよ。ですから花屋でも珍しく店舗内に地下保冷室があったりと1階部分ではまさに花屋をするために建設時から設計されているんです。こんなビルですが震災前年に銀行から借り入れていた債務を全て払い終え、さてこれからどうするかと思っていた矢先の東日本大震災でした。ビルの補習のためにまたまた銀行からお金を借りて、これを返し終わるまでまたしばらくは掛かりそうです。どちらにせよ震災のお陰で建設資材の高騰や建設関係の人手不足からくる工日数の長期化などもあり、まったく新築し直すにはまだまだ社会情勢が好転しているとは思えないのですが。それで昨年よりビルの大幅補習を仕掛けて、のち10年は頑張ろうという事になったのです。
気持ちはすでに10年後に向かっておりまして、現在と同じ8階建てで1階店舗で50世帯弱の賃貸マンションを建て替えるという事は、建設当時から改正された建築法によって不可能ということが分かっており、同じ規模のものは建てられません。現在の建築法では戸数の5割の駐車場を敷地内に持つ必要があるためです。また仙台駅東口周辺の土地区画整理が終盤を迎え、2年後には地下鉄東西線も運行開始と、何かと期待値の高い地域です。新築分譲マンションが完成前に全室完売するなど当たり前となり、ビジネス街となって大規模区画整理によって住民がいなくなりつつあるかと思えば、これら新築分譲マンションの需要によって近所の小学校は教室数が足りなくなる事から増築まで検討に入ったとか。
こうなると当店としましては戸数を減らして高級化した賃貸物件として建て替えるか、仙台駅東口で慢性的に続く月極駐車場不足のために1階部分を花屋店舗にしての自走式の立体駐車場への建て替えかなと目論んでおりました。オフィス街としてなら法人で持つ月極駐車場に重宝するのではないかと。当店地域で月極駐車場の駐車料平均は一台25,000円前後です。仮に300台収容の自走式立体駐車場を建設したとしても充分ではないかと。
しかし前述のように新築分譲マンションが雨後のタケノコのように増え、しかしこれも時代でしょうか、駐車場スペースだけがガラ空きだというのです。交通の便が良いために仙台駅周辺に住むワケですからクルマが必要ないとか、老夫婦の世帯とか、若い育児世代でも現在ではあまり進んでクルマを保有しないというのです。これが加速すると分譲マンションで強制的に駐車場スペースが付いてくる部分で副収入を得ようとして貸し始める世帯が出てくれば、今度は足りなかったはずの月極駐車場も余剰状態化するのではなかろうかと。今から心配が絶えないわけです。10年一昔と言いますが、この先10年後、私は、家族は、店は、どうなっているのでしょうかね。
![]() クリックをよろしくお願いします。 | ![]() |