さて、まず一般的な通夜・葬儀を行わなくなった背景には、やはり高齢化があります。第一線を退いて老後を迎え、何年か経ってからの葬儀ですから仕事関係などの人間関係が無くなっており、会葬者も身内・近親者に限られてしまう。少子化の影響もあります。最悪では一人っ子同士の結婚で両親健在の場合、最大で4回もの葬儀を挙げなければならず、一回の葬儀に掛かる費用も小規模化していきます。会葬者の減少が拍車を掛け、新聞広告なども載せない、さらには『直葬』といって、通夜・告別式を全く行わずに病院→火葬場→墓地へ直接埋葬という場合も珍しくなくなりました。一昔前なら生活保護者か身寄りのない方の埋葬形式です。良いか悪いかの感想は別としても時代なんですね。
当店に関しましては後々になってからこれを知り、四十九日も終わったけれどお花を贈りたいというご要望がとにかく増えた事。ご遺族側としたら、後々になってお花が届くほうがいいのではないか?という感想もあります。通夜・葬儀で大量のお花が集まっても、終われば一気に無くなって仏壇周りも寂しくなるものです。少しずつお花が来るというのも悪い事じゃないのかな…と。お花の商品券やギフト券で香典にされる方も増えているといいます。亡くなってしばらくはお花も絶やさずに飾りたいでしょうから、好きな時にお花を買い足せるようにという配慮が伺えます。同じ理屈ですが、お線香の詰め合わせを贈るのも一つでしょう。お線香も沢山使いますから、あれば助かるものです。
これらの現状は偏に少子高齢化が原因です。それ以外にない。長生きできるという事は素晴らしい事です。可能なら見送る方々も多いほうがいい。理想と状況がかみ合っていない気もしますが。
老後を考えたとき、私は常々思うのです。「男は長生きすべきじゃない。特に妻よりは先に亡くなるべき。」と思います。自分もその公約を守れるかどうかは分かりませんが理想では妻より夫、女より男が先に亡くなるべきでしょう。退職した途端、よほどの趣味がない限り男性はグダグダのヒキコモリみたいになります。家庭内の事は妻がやってきた都合、いまさら自分の仕事もそうそう無く、責任や緊張感が無くなった日々に待っているのはボケです。だから男性はすぐボケる。女性は家事が生涯あります。自ら手放さない限り身体も頭も回転させる機会が多いと思うのです(あくまで私個人の感想です)。だからこそ、私が老後を迎える事になったら、理想では夫婦別居がよろしいのではないかと。日中だけです。自分のスペースを持てばその管理は自分で行うしかなく、食事だけは家族でとったにせよ、洗濯や掃除は自分でやる半一人暮らし、半同棲生活がよろしいのではないか?ボケない為にですけどね。誰だって子どもや周囲に迷惑を掛けてまで長生きしたいとは思っていないハズです。理想としてはある日突然にポックリと…がいいですよね。今日か、明日か、と秒読みされ続けるのだけは勘弁したい。
惜しまれつつ…が理想の店長でした。
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