2013年12月16日

#0490 木咲きのこと

ここ近年でよく耳にするようになったのが生花、特に切り花の「鮮度保証」というものです。業界全体で行われているというものではなく、各々の小売店による努力による提案です。店長です、こんにちわ。当店もしないとイカンかなぁ。

さて、「鮮度保証」とは名の通り『○○日以内でダメになったらお取り替えします』等のサービスの事です。お客様にとっては安心できる良いサービスでしょう。しかし業界内では賛否両論です。家電製品の保証とは違い、千差万別の環境と品種と状況下に置かれる生花において、画一した保証が通用するのか?が一番の理由です。ここはまた別の機会としまして…これと同時に「採花日の明示」という動きもあります。つまり生産地でいつ採花(切ってきた)か?の日付を明示すべきという動き。これにはとても疑問があります。現在の生鮮食料品では出荷日や水揚げ日などの日付が明示されている場合があり、これに習う格好です。しかしバナナのように青いうちに採取して黄色くなるまで待つといった特性の果実もあるように、生花でも切り花には採花日を明示することであらぬ誤解を招く恐れもあります。
ここを足場にしまして本日の本題ですが、一ヶ月ほど前、バラの生産者の皆様との意見交換の場で特に印象に残った言葉から、バラに限った話ではない実情をお知らせしましょう。『花が咲く』と『花が開く』のは全く別という事です。日本では切り花の花はツボミで販売し、飾ったのち数日で満開を迎えれば少しでも長く楽しめるといった風習のもと、生産者もツボミの状態で採花し、これを咲かせないように保管しつつ流通・小売りするという図式が義務であるかのような感覚になっております。満開に開花した状態での販売はできず、もしこれを使用して納品した場合、その花がのち何日間楽しめたかという確認もないまま即クレームです。「古い花だ」「鮮度がなっていない」というのが趣旨です。しかしじつは切り花は産地でギリギリまで咲かせて採花したほうが切り花にしてから楽しめる期間も格段に延びるとこが分かりました。発色もゆたかで芳醇な香りまでも長く楽しめるものもあります。逆にツボミで切るタイミングが早すぎると数日で満開を迎える前にしおれてしまうという状況になるのですが、皆様も多少なりの経験があるのではないでしょうか?『花が咲く』ということは生産地で切り花になるまえに六分咲き以上まで育成する事です。これを業界用語で「木咲き」と言います。『花が開く』のはツボミで採花し切り花になってから開花する状態の事です。本当に『咲いた』花は美しい!しかもバラに限れば驚くほど長く楽しめるのです!考えてみて下さい、ヒマワリはツボミで流通しません。ガーベラも満開で流通します。何故バラは開花していては商品価値がないのでしょうか?その誤解を解けるのは小売りとしてお客様に接する機会が最も多い生花店であるはずです。正しい知識と情報を持てばお客様のクレームも怖くない、いわれのない常識と思われているツボミでの販売という風習を変える事も可能です。結果として本当に良いお花を長く楽しめるのですから、お客様の為とはこのことです。
これを浸透するのは並々ならぬ努力も必要です。まず本当に木咲きで咲いている花を納品したのか、単に緩んできた花を納品したのかという違いはプロであっても判別しづらい。ここをきちんと担保する意味での「鮮度保証」「採花日表示」であって欲しいと願うばかりですが。
例えばですよ…バラという花の生産地は皆様の都道府県どこにでも幾つかあるんです。まずは普通に切り花のバラを買い一週間程度飾ってみてから、可能なら同じ品種を育成している生産地に行ってみて下さい。満開の一輪を残しておいてもらえるとより差が分かります。『花が咲く』と『花が開く』の差。開花していく姿に楽しみを見いだすのも分かるだけに大変な部分ではあるんですけどね。生産者は小売り以上に一般消費者の声を聞きたがっていますので、むげに断られることはないはずです。



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